30歳、未経験・知識・貯金ゼロ。農業への挑戦。


30代・未経験・知識・貯金ゼロ。僕が“農で生きていく”までのお金の話

こんにちは、和歌山でみかん農家をしている「ぼうずん」です。

今日はちょっとリアルなお金の話をしてみたいと思います。

よく「農業って儲かるの?」「どうやって始めたの?」と聞かれますが、正直、30歳・未経験・貯金ゼロだった当時の僕にとって、“農で生きていく”なんて、夢物語のようなものでした。

それでも、今こうして農家として5年続けてこられたのは、いくつかの支援制度や人との縁に支えられてきたからです。

この記事では、僕が農業を始めるまでと始めた後のお金事情を、できるだけ包み隠さずお話ししていきます。


農業を始めようと思ったとき、貯金はゼロだった

30歳のとき、中古品販売の仕事を辞め、「もう一度ちゃんと生き直したい」と思って農業に目を向けました。

でも、農業を始めるにはお金がかかると聞いていたし、何より僕にはほとんど貯金がありませんでした。

「こんな自分でも農業ができるのか?」という不安が常にありました。


最初の一歩は“雇われ農家”から

最初に選んだのは、自分で農業を始めるのではなく「雇ってもらう」こと。地元のレタス農家に就職しました。

収入は手取りで月12万〜14万円ほど。決して多くはありませんが、農業の現場を体験しながら「これは続けられそうか?」を見極めるには、ちょうどよかったと思っています。

ただ、仕事のミスマッチや自分のプライドの問題などもあり、ここは1年で退職。その後、いちご農家、米農家と転職を繰り返しました。

この頃の生活は、貯金もなくギリギリ。生活費を抑えながら慎ましく暮らしていました。


和歌山への移住と、支援制度の活用

米農家を辞めたとき、たまたま見たテレビ番組で“和歌山の移住就農”を知りました。

何度か現地を訪れてみて「ここならやってみたい」と思い、和歌山への移住を決意。

そのとき活用したのが、和歌山県有田市新規就農支援制度です。

具体的に受けた支援:

  • 研修期間中(最長2年間)の給付金(年間150万円)

  • 農地の紹介と、研修先農家の斡旋

  • 農家さんへの紹介

この支援がなければ、正直ここまで来られなかったと思います。


研修中の生活と節約の日々

「生活費と最低限の必要経費」は研修期間中の給付金でまかない、空いている時間はアルバイト。

家賃は月4万円のアパートに住らし、車も軽自動車1台でやりくりしました。食費も自炊中心。娯楽費はほぼゼロでしたが、「夢に向かっている実感」があったので、心は不思議と豊かでした。


就農後にかかった初期費用と収入の現実

研修を終えていざ就農。いよいよ“自分の畑”を持つタイミングです。

とはいえ、ゼロから農地を買う余裕はないので、借りて管理するという形にしました。

初期費用でかかったもの:

  • 草刈り機や剪定ハサミなどの小型農機具:約10万円

  • 軽トラ(中古):約30万円

  • 防除機や肥料、農薬、除草剤などの資材:約100万円

合計:約150万円ほど

これは貯金でなんとかまかないました。事前にこのくらいの金額は用意しとくように先輩農家さんから言われていたので頑張って貯めてました。


今の収入と生活のリアル

就農1年目。収穫量も少なく、品質も安定しない。赤字すれすれのスタートでした。

それでも、少しずつ知識と経験を積み重ね、3年目からようやく黒字化の兆しが見え始めました。

今は収穫したみかんを市場に出荷する形で生計を立てています。

まだまだ贅沢はできませんが、夫婦で暮らしていくにはなんとかなるくらいにはなってきました。


農で生きていくために、大切だったこと

農業は「頑張ったらすぐ結果が出る」世界ではありません。

でも、

  • 自分のペースで進められること

  • 自然と共に生きているという実感

  • 夫婦で一緒に乗り越えてきた経験

これらが少しずつ、自信や心の安定につながっていきました。

「お金がなくても、工夫と行動次第で未来は切り拓ける」

これは、自分自身が一番強く実感していることです。


さいごに

農業を始めるには、確かにお金はかかります。 でも、“本気でやりたい”と思えたとき、支援制度や人とのつながりが、ちゃんと背中を押してくれました。

あのとき和歌山に来る決断をして、妻と一緒にここで生きていこうと誓って、本当に良かったと思っています。

この記事が、これから農業を目指す誰かの一歩を後押しできたら嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

ぼうずん